番組をつくり送り出す

スタジオ/ロケ/中継

番組はいろいろな形態でつくられます。大きく分けると、スタジオで収録する「スタジオ制作」、小型カメラを使い、さまざまな場所で撮影する「ロケ取材」、スポーツなどさまざまな場所に機材・システムを組み上げて生放送や収録を行う「中継制作」です。我々はあらゆる形態の番組制作に携わっています。

スタジオ制作

カメラや照明機材など機材が整備されたスタジオにセットを建て、番組制作用の“空間”を創り上げ、そこで映像を切り撮り、音を収録する制作スタイルです。天候や時間に左右されず、多くの番組を効率的に制作できるため、ジャンルを問わず、さまざまな番組制作の基本形態ともいえます。テクニカルディレクター(TD)、撮影、照明、音声、ビデオエンジニア(VE)など多くの技術担当者が協力して制作に携わる、放送初期から続いている基本的な制作手法です。

  • ドラマ番組スタジオ

  • 音楽番組スタジオ(“The Covers”)

  • 語学番組スタジオ(バーチャルスタジオ)

ロケ取材

小型カメラを活用した制作手法で、実際の現場に行って撮影、集音する制作形態です。通常のドキュメンタリー番組などでは演出担当者とカメラマン、照明/音声担当者という少人数での制作が一般的ですが、ドラマや音楽番組の場合は、さらに多くの演出担当者、技術担当者、美術担当者が関わります。

さらに自然番組、科学番組などでは、特殊なカメラやデジタルカメラなどの機材を駆使した特殊撮影を行い、新たな映像表現にも取り組んでいます。

  • 8Kコンテンツ制作

  • ドラマロケ(「そこをなんとか2」)

  • 特殊撮影(4KHi-Speed)

中継制作

ロケと同様に現場で制作を行いますが、たとえば野球やサッカー中継のように複数のポジションにカメラを配置し、その映像を切り替え、“リアルタイム編集”を行って生放送を行うなど、機材、システムを現場に仮設し、放送を行う制作形態です。場合によっては20台以上のカメラ、数十本のマイクを使うなど、大規模なオペレーションを行います。スタジオ制作同様、テクニカルディレクター(TD)、撮影、照明、音声、システム、CGなど複数の技術担当者が関わります。大規模中継では100人を越えるスタッフが関わります。

  • 大相撲中継

  • 音楽番組中継収録

ポストプロダクション 映像編集・音声編集(MA)

エディターあるいはミキサーによって、スタジオやロケ、中継などで収録した映像・音声素材をつなぎ、並べ替え、色調や音質を調整・加工し、効果などを付加することにより、演出意図やイメージを具現化しながら番組を仕上げていく作業です。

  • ノンリニア編集室 

  • 高精細編集室BLAZE

  • MAルーム

映像編集

同じ映像であっても、映像の組み合わせにより、違った印象、異なった感情を与えます。番組では、その内容、目的に合わせて映像を紡いでいきますが、違和感のないような色調に整えたり、鮮やかさを増して印象付けたり、逆にややくすませて落ち着いた雰囲気をだしたり、演出意図やイメージを具体化していきます。さらに文字情報やさまざまな映像効果を付加して番組を仕上げていきます。

音声編集

生放送以外の各ジャンルの番組制作では、音声編集が必要となる場合が多くあります。各制作現場で収録したインタビューやセリフの音量や音質のばらつきを整え、聞きやすくしたり、音楽やナレーション、さまざまな音響効果を付加することで番組内容やイメージに相応しい音声表現に仕上げ、質を高めます。音楽番組などでは、楽器ごとに収録された素材をミックスし、バランスを整えることで、聞きやすく、表情豊かな楽曲に仕上げていきます。音声編集は映像編集と同じく、最後のお化粧と言えるでしょう。

CG・VFX

デジタル映像技術の進展により、CGを活用した映像表現が放送分野でも一般的になりました。かつては膨大な時間とコストが必要だった映像表現がテレビ番組でも取り入れることが可能になり、ドラマはもとより科学番組などでもCG・VFXは不可欠な要素になっています。

CG(コンピュータ・グラフィック)

グラフなどのシンプルなインフォメーションから、キャラクターや非現実的な映像まで、番組制作においてCGは一般的になってきました。しかし、その制作過程は複雑です。
コンピュータの仮想空間に3次元データによる形状モデルを配置し、仮想の照明を当て、仮想のカメラで撮影するという方法で映像を創り出します。3次元モデルデータは、建物などの形状が変わらないソリッドな物体から、生き物など、形が変わり、動くものまで作ることができます。最近では流体などの物理シミュレーションも可能になりました。
CG技術を極めるには、モデル作成、アニメーション、照明、カメラなど、それぞれの制作工程における専門知識が必要で、日々技術を探求しています。

VFX(ビジュアル・エフェクツ)

VFXは、昨今映画などで多く用いられてなじみ深いものになってきましたが、テレビ番組制作の現場でも重要な技術として用いられています。最新のCG技術を活かし、番組セットでは再現できない、建物などの構造物を実写映像に足したり、煙や水しぶき、生き物や人間まで実写映像に追加して、実写だけでは不可能な映像表現を実現します。VFXはCG技術だけで作れるわけではありません。企画制作段階から番組制作にかかわり、演出、撮影、ポストプロダクションと一体となって制作することで、はじめて実写と見間違うような品質の高い映像に仕上げることができます。番組制作全般にかかわる知識と、映像に対する「確かな眼」が必要となる仕事です。

運行・送出

放送は、いわゆる“番組表”に基づいて、定められた時刻に、正確に番組を送り届けることが求められます。番組は、スタジオや中継先からの「生放送番組」とサーバに保存されたファイルを再生する「収録番組」とに分かれますが、それらを正確に切り替えることが重要で、その状況をしっかり把握・管理し、必要に応じて適切な処置を行うことが求められます。たとえば緊急ニュースが発生した場合や野球中継で延長戦に入って放送時間が延長されるような場合には、次の番組の放送開始時間を変更したり、あるいは番組自体を休止にしたり、様々な変更が発生します。それらの変更作業を間違いなく適切に行うことが、安定した放送をお届けするためには必要不可欠であり、24時間365日休まず監視・運用業務にあたっています。
さらに、NHKラジオ第一放送のように24時間365日、生放送を中心とした柔軟な編成を確実に送出するための「ラジオセンター業務」、MLBや大相撲などの国内外のスポーツ中継の映像・音声にリアルタイムで得点表示などのCGや解説副音声を付加して魅力あるコンテンツに仕上げる「CUスタジオ業務」、日本の魅力ある情報を海外の方々へ伝え、海外に居住する邦人の方々へのライフライン情報を発信する、「国際放送の運行・スタジオ業務」など、変動要素のある編成の下で確実に放送を送り出すことが求められるスタジオ制作業務も送出業務の重要な役割です。

  • CUスタジオ

  • 国際スタジオ副調

  • 国際スタジオフロア

報道

「おはよう日本」「ニュース7」「ニュースウォッチ9」「BSニュース」などニュース番組は渋谷の放送センターの中にあるニュースセンターから放送されています。MT技術者は、ニュースセンターのカメラ、音声、照明などの技術業務を担当しています。
日本全国、そして世界中からニュース原稿と映像がニュースセンターに送られてきます。ニュースセンターはNHKの中でも最もシステム化が進んでいる職場で、様々なニュース情報はコンピュータで処理され、ニュース原稿・映像が入稿次第、セキュリティ管理の下、ニュースセンターの担当者に情報が共有され、ニュースとして編集されます。これらシステムの開発と運用にもMT技術者は携わっています。
報道の重要な使命は、視聴者の皆さまの生命・財産を守ることです。地震・津波などの災害報道において正確な情報を迅速に伝えるために、毎夜最終ニュース終了後、災害報道の訓練を行うなど、日頃から報道の使命達成に取り組んでいます。